先月3月は国際女性月間。そこでFacebookのさまざまな部署で活躍している女性たちにお話を聞いてみました。その第3弾は東京オフィスでClient Solutions Managerを務めるMinoriさんです。広告・デジタルマーケティングの仕事で磨いている自身のキャリアについて、いろいろと伺いました。一問一答形式でお送りします。
広告業界・デジタルマーケティングのキャリアを選んだ理由ときっかけについてお聞かせください。
広告業界の中でも、私は特にインターネット広告や、広告に関連するテクノロジーに興味があり、この業界を選びました。またこの業界でキャリアを積み始めてから、特に魅力に感じた事としては、自分の提案したマーケティング・広告の施策に対しての結果がわかりやすい事です。広告効果を測定・分析し、そこから得られたインサイトをもとに次の戦略を考えるサイクルが好きです。例えば、あるキーワードに対する潜在顧客の反応はどうだったのか、動画を使ったキャンペーンであれば、どのような内容の動画をどの潜在顧客に展開・訴求していくと、効果がどう違うかなど、とても興味深いと感じています。また日々進化するマーケティング・広告テクノロジーに携われる事も魅力の一つです。
ご自身が担当している職務についてお聞かせください。
Eコマース業界の大手クライアントの担当として、Facebook+Instagramを活用したマーケティング・広告戦略の提案をしています。私のチームは現在合計9人、Eコマース業界の他に旅行業界のクライアントを担当しているチームに所属していて、高い自由度の中で各人がオーナーシップ(責任感・当事者意識)を持って、効率的に最大の成果を出せるように日々力を合わせて頑張っています。
担当案件の中には、あまり例のない日本発のアメリカ向けサービスのマーケティングに携わる事もあり、海外マーケットでのブランディング展開や、ユーザー獲得の施策を提案しています。アメリカのチームとも定期的に連携をとりながら、常に最新情報を取り入れ、クライアントに速やかに共有し、常に新しい提案ができるようにしています。
Facebookに入社してから学んだ事、変わった事についてお聞かせください。
前職では、ゲーム業界からアプリ関連業界のクライアントに対して、ダイレクトレスポンス広告を主に、いかにコンバージョン・獲得(購入・会員登録・ダウンロード)につなげるかが主要な提案内容でした。Facebookに入社してからは、過去の経験を生かして同様の提案もありますが、ブランディング広告を含めた提案も行うようになりました。以前は日頃のCPI、CPA、ROASの効率を最大化するところに気をとられる場面が多かったのですが、現在はブランディングを通して認知度を高め、ミッドファネル(購入検討段階)を考慮した施策など、エンドユーザーの裾野を広げ、最終的にコンバージョン・獲得をしていくにはどういった戦略・配信が最も効率的かというところをより考えるようになりました。例えば、より購入の見込みのあるユーザーを増やしていくためにはどのように認知度を上げていくべきか、クライアントのブランドやサービスを理解・利用してもらえる為にはどう分かりやすく伝えるかというように、提案の幅が広がったと思います。
前職も広告業界にいらしたとのことですが、前職と現在の職務や働き方を比べた時の違いについてお聞かせください。
スピード感やお客様が求める仕事の質は前職と大きく変わらないとは思いますが、前職の広告代理店業と、Facebook/Instagramのようなマーケティングプラットフォームとではバリュー(付加価値)をどう発揮するかという点で異なります。
前職の専業広告代理店ではデジタルマーケティングのプロフェッショナルとして、全体のデジタル戦略のプランニングから、効果測定・広告運用、制作、オペレーションまで一気通貫に担当することで、クライアントにバリューを発揮していました。現在は、プラットフォームのスペシャリストとして、クライアントをはじめ、パートナーである広告代理店の方々に対して、Facebook/Instagramの特性や利用者の性質、配信アルゴリズムを踏まえた最適な配信設計、新しい広告ソリューション(広告商品)についての情報を適切に伝え、理解していただく事で、バリューを出しています。自分自身が手を動かして細かい設定を変更するわけではない分、明確なインパクト(結果)を示すためには、いかに関係する方々をインフルエンスしていけるかが大事で、前職とは異なる課題に直面することも多々あります。
これまでのご自身のキャリアーにおいて学んだ事、苦労したことについてお聞かせください。
私の場合、前職でも現職でもグローバル規模で業界のリーダー的なクライアントを担当させていただく機会が多く、その経験がかなり今の自分の糧になっています。トップクライアントに関しては、より総合的な提案や、常に新しい提案が求められていたのですが、通常の枠には収まらないアプローチをとって戦略を立てたり、運用を行ったりしていました。当然ながらこれを実現するためには、社内外の多くの人を巻き込み、ひとつの目標に向かって推し進めていく推進力、またプロジェクトマネジメントスキルを学ぶ必要がありました。
人を巻き込む能力やコミュニケーション力は、これまで培ってきた重要なスキルで、前職でも現職でも共通して大切だと感じています。学んだ事としては、クライアント、代理店、社内関係者といった関係している相手を徹底的に理解する事が重要。あらゆるステークホルダーについて、各自何が目標で、何を行えばその目標を達成することに貢献できるのかを把握した上で、物事を進めることにより、難易度の高いプロジェクトも円滑に進行できたと思います。
ご自身と同じような道を歩んでいきたい方が他にいたら、どんなアドバイスをしますか。
仕事をしていく中では、自分の志している軸を明確に持つと良いと思います。個人的に常に意識している事としては、スピード感、トライ&エラー、顧客理解、データに基づいた意思決定です。
チャレンジ精神もとても重要で、何事にもまずはとりあえず取り組んで見るようにしています。自分のキャリアを振り返ってみると、色々な事にチャレンジし時に失敗する事で、ビジネスパーソンとして、またデジタルマーケターとして成長してきたと思います。業界、業種的の特性として広告テクノロジーを扱っているので、テクノロジーの進化していくスピードに付いていく為には、立ち止まって熟考するよりは、まずは試してトライアンドエラーを通して学んでいくことが大事だと思っています。